防災週間(8/30〜9/5)と防災の日(9/1)が近づくと、備蓄を見直す家庭が増えます。非常食や水は備えていても、トイレの備えは後回しになりがちです。
実は、災害時の不安で「トイレが使えないこと」を挙げる人は、飲料水や食料を上回るという調査結果もあります。この記事では、非常用トイレ・簡易トイレの種類、必要数、選び方のポイントをまとめました。在宅避難を想定して備蓄を見直したい人に役立つ情報を整理しています。
まず知っておきたい:トイレの備えが後回しになりがちな理由
大幸薬品が2026年8月に実施した調査(20〜60代1,095名)では、災害時の不安1位が「トイレが使えないこと」で66.1%に上りました(飲料水61.2%、食料57.9%を上回る)。一方で、非常用トイレを備えている人は41.3%にとどまり、意識と備えの間にギャップがあることが分かります。
さらに、備えていても56.5%の人が20回分以下しか備蓄しておらず、後述する目安(1人35回分)に届いていないのが現状です。防災週間をきっかけに、トイレの備蓄量を見直すのがおすすめです。
非常用トイレの種類:携帯トイレと簡易トイレ
非常用トイレには大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれ特徴が異なるため、使い分けが重要です。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 携帯トイレ(便袋・凝固剤タイプ) | 自宅の洋式便器に専用袋+凝固剤をセット。コンパクトに備蓄できる | 在宅避難の主役。洋式トイレがある家庭 |
| 簡易トイレ(便座・構造体タイプ) | 段ボールやプラスチックで便座+構造体を組み立てる。場所を選ばず設置できる | 自宅便器が使えない時のバックアップ、車中泊避難 |
携帯トイレ(便袋・凝固剤タイプ)
在宅避難の主役となるのが、自宅の洋式便器に専用袋と凝固剤をセットして使うタイプです。コンパクトに備蓄でき、普段のトイレをそのまま使えるのが利点です。
ただし、洋式便器専用がほとんどで、和式トイレには対応していない点に注意が必要です。和式トイレしかない家庭は、後述する簡易トイレ(便座タイプ)を検討しましょう。
携帯トイレはさらに、次の2タイプに分かれます。
- 凝固剤タイプ:粉末を振りかけて混ぜる。比較的安価だが、暗所やパニック時、人目のある避難所では混ぜる工程で失敗や不衛生になりやすい
- 吸水シートタイプ:袋底にシートが圧着され、混ぜる工程が不要。袋を縛るだけの1ステップで、音漏れ・臭い漏れが少なく子どもや高齢者も使いやすい。やや高価
簡易トイレ(便座・構造体タイプ)
段ボールやプラスチックで便座と構造体を組み立てるタイプです。リビングや車内など、場所を選ばず設置できます。
自宅の便器が使えない時のバックアップや、車中泊避難には必須級の備えです。一方で、構造体がある分備蓄にかさばるのが難点です。
必要数の目安:1人35回分が基本
非常用トイレの必要数は、1人1日5回換算で計算するのが一般的です。経済産業省の基準では、公的ガイドラインとして最低3日分、推奨7日分が示されています。
これを1人あたりに換算すると、7日分=1人35回分が目安になります。家族の人数に合わせて計算してみましょう。
| 家族人数 | 7日分の目安 |
|---|---|
| 1人 | 35回分 |
| 2人 | 70回分 |
| 3人 | 105回分 |
| 4人 | 140回分 |
在宅避難を想定する防災士の推奨では、14日分=1人70回分、理想は30日分=1人150回分とされています。まずは7日分(1人35回分)を目安に、余裕があれば増やすのが現実的です。
選び方の3大チェックポイント
非常用トイレを選ぶときは、次の3点を確認すると失敗しにくいです。
1. 防臭性能(最重要)
使用済みの袋は、自治体の指示に従って処分するまで数週間保管する前提です。専用の防臭袋(BOS等の多層構造フィルム)が付属するかどうかは、最重要のチェックポイントです。密閉構造で臭気を遮断できるものを選びましょう。
2. 凝固剤の品質
凝固剤には、抗菌性(JIS規格・第三者試験データ)、消臭成分、大便対応、凝固速度など、品質に差があります。抗菌・消臭機能が確認できるものを選ぶのが安心です。
3. 長期保存
10〜15年保存可能なタイプが理想です。ただし、後述するように凝固剤には使用期限があるため、長期保存タイプでもローリングストックを心がけましょう。
注意点:凝固剤の正しい使い方と使用期限
非常用トイレを使う際に、意外と知られていない注意点があります。
大便(固形物)には水を加える
凝固剤は水分に反応して固まるため、大便のみだと固まりません。大便の場合は、コップ1杯(約200ml)の水を加えてから凝固剤を投入するのが重要です。この点を知らずに使うと、凝固・抗菌・消臭が機能しないことがあります。
凝固剤の使用期限
高吸水性ポリマーは水分に反応するため、期限切れになると凝固・抗菌・消臭が機能しません。10〜15年保存タイプでも、古いものから使って買い足すローリングストックが推奨されます。
使用後の処理
使用済み袋は、自治体の指示に従って可燃ごみで処分します(自治体により異なります)。汚物を下水や川に捨てるのは衛生上・法律上NGです。消臭袋に密封し、直射日光を避けて保管しましょう。
断水していなくても水を流さない
断水していなくても、排水管の安全確認までは水を流さないことが重要です。安全確認前の水洗は、逆流や下階への漏水など二次被害の原因になります。調査では「水があれば流してよい」と誤解する人が約45.6%に上りました。
向かない人・注意が必要な人
- 和式トイレしかない家庭:携帯トイレ(便袋タイプ)は洋式専用がほとんど。簡易トイレ(便座タイプ)を検討する
- 乳幼児がいる家庭:紙おむつの処理もトイレ問題の一環。防臭袋を併せて備蓄する
- 保管スペースが限られている人:構造体がある簡易トイレはかさばるため、携帯トイレ中心の備蓄が向く
- 自治体の備蓄に頼りたい人:自治体の備蓄は避難所向け。在宅避難は自助が原則のため、家庭での備蓄が必要
おすすめの備蓄方法:ハイブリッド戦略
防災士が推奨するのは、携帯トイレ(便袋タイプ)をメインに、簡易トイレ(便座タイプ)をバックアップで1セット備えるハイブリッド戦略です。
- メイン:携帯トイレ(便袋タイプ)を1人35回分(7日分)目安に
- バックアップ:簡易トイレ(便座タイプ)を最低1セット
これなら、自宅の便器が使える間は携帯トイレで対応し、便器が使えなくなった場合も簡易トイレで場所を選ばず対応できます。
おすすめの商品カテゴリ
Amazonでは、次のようなカテゴリで非常用トイレを探せます。価格や在庫は時期によって変わるため、最新情報をAmazonでご確認ください。
| カテゴリ | 特徴 |
|---|---|
| 100回分セット | 長期保存・防臭・防菌。家族分をまとめて備蓄できる |
| 防臭袋セット | 密閉構造で臭気を遮断。使用済み袋の保管に |
| 凝固剤・処理剤 | 悪臭分解。備蓄向けの処理剤 |
| 防臭袋50回分 | 高密閉・防臭。多めに備蓄したい人向け |
| 半永久保存セット | 凝固剤付き。男女兼用 |
| 段ボール式簡易トイレ | 簡単設置。日本製 |
| 吸水シートタイプ | 混ぜ不要の1ステップ。子ども・高齢者向け |
| 防災士監修タイプ | 長期保存・大容量凝固剤 |
初めて備える人には、100回分セットが手軽です。家族分をまとめて備蓄でき、何をどれだけ買えばいいか分からない人でも始めやすいでしょう。
関連する備蓄の記事
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- 非常食の選び方とおすすめ:備蓄食の選び方とローリングストックのコツ
- 防災リュックの中身リスト:備蓄品の一覧と始め方
- 防災の日・台風対策ガイド:防災週間の対策チェックリスト
- ポータブル電源の選び方:停電対策に必要なWh数と比較
おすすめの探し方
防災週間をきっかけに、非常用トイレの備蓄を見直してみませんか?まずは1人35回分(7日分)を目安に、無理のない範囲で備えるのがおすすめです。
Amazonでは、100回分セットや防臭袋、簡易トイレなど、さまざまな非常用トイレを取り扱っています。価格や在庫は時期によって変わるため、最新情報をAmazonでご確認ください。
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よくある質問
Q1. 非常用トイレは何回分備蓄すればいい? 1人1日5回換算で、公的ガイドラインの推奨7日分=1人35回分が目安です。在宅避難を想定するなら14日分(1人70回分)を目指すのがおすすめです。
Q2. 携帯トイレと簡易トイレの違いは? 携帯トイレは自宅の洋式便器に袋と凝固剤をセットして使うタイプ、簡易トイレは便座と構造体を組み立てて場所を選ばず設置できるタイプです。在宅避難は携帯トイレが主役で、簡易トイレはバックアップに適しています。
Q3. 凝固剤は大便でも固まる? 凝固剤は水分に反応するため、大便のみだと固まりません。コップ1杯(約200ml)の水を加えてから凝固剤を投入するのが重要です。
Q4. 使用済みの袋はどう処分すればいい? 自治体の指示に従って可燃ごみで処分します(自治体により異なります)。汚物を下水や川に捨てるのは衛生上・法律上NGです。消臭袋に密封し、直射日光を避けて保管しましょう。
Q5. 断水していなくても水を流してはいけない? 排水管の安全確認までは水を流さないことが重要です。安全確認前の水洗は、逆流や下階への漏水など二次被害の原因になります。
Q6. 和式トイレしかない家庭はどうすればいい? 携帯トイレ(便袋タイプ)は洋式専用がほとんどです。和式トイレしかない家庭は、簡易トイレ(便座タイプ)を検討しましょう。

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